粉骨前のご遺骨の乾燥について

粉骨をさせていただくご遺骨は、十分に乾燥していなければなりません。

火葬から間もない焼骨は十分に乾燥しています。ただ…

火葬場では非常に高い温度で燃焼させますので、火葬から間もない焼骨は通常十分に乾燥しています。そのため、粉骨代行業者さんの中には、そのまま粉骨作業に入るところもあり、確かにそれできれいなパウダー状になりますのでそれはそれで良いとは思います。

ただ、弊社では火葬から間もない焼骨に関しても、標準乾燥を作業工程の中に入れています。骨壺は密閉容器ではないため、ご自宅安置されていたご遺骨は室内の湿気を取り込んでいる場合もあるからです。室内の環境はお客様のご住居の構造や安置場所などによっても異なりますので、念のため12時間の標準乾燥を行っています。

ほとんどの場合、火葬から1年以内の焼骨であれば、そのまま粉骨してもきれいなパウダーになります。ただ、その後長期保管するような場合は、変質を防ぐためにできるだけ乾燥しておいた方が好ましいということもあります。そのようなことも考慮して弊社では標準乾燥を工程に入れているのです(標準乾燥は基本料金に含まれており追加料金は発生しません)。

お墓に納骨されていた焼骨は水分を含んでいます

一方、お墓の中に埋葬されていた焼骨には、多かれ少なかれ水分が含まれています。骨壺の中に入れて納められていたご遺骨であっても水分を含んでいますし、骨壺に入れずに埋葬されていたご遺骨は多くの水分を含んでいます。

このような水分を含んだご遺骨を粉骨しようとしても、きれいなパウダーにはなりません。したがって、粉砕作業を行う前に十分に乾燥する必要があるのです。

どれくらいの水分を含んでいるのかはケースバイケースなのですが、専用乾燥機(熱風による乾燥)で最低でも48時間、長い場合は72時間程度の時間をかけて乾燥させることになります。そのため、お墓に埋葬されていたご遺骨を粉骨する際には、特別乾燥作業のために別途料金をいただいております(別途料金は、骨壺に入っていた場合と直接埋葬されていた場合とで異なります)。

お墓に埋葬されていたご遺骨にはカビなどが発生している場合も

お墓に埋葬されていたご遺骨には、カビなどが発生してしまっている場合もあります。また、それに伴い臭いが生じていることもあります。

そのまま乾燥させるとカビを拡げる原因にもなりかねませんし、粉骨後の変質にもつながる可能性がありますので、このようなご遺骨については、表面についたカビをバーナーで燃焼処理しています。カビは目視では十分に確認できないことも多いため、現実としては、お墓に埋葬されていたご遺骨のほとんどに対してこの処理を行うことになります。

バーナーでの焼き切りでは、ご遺骨の表面に煤が発生する場合もあり、粉骨後のご遺骨の色に多少の影響があるのは正直なところです。ただ、表面が多少黒くなるだけですので、このような処理をしても粉骨後のご遺骨の色に与える影響はわずかです。そもそも焼骨の中には炭化している部分もありますので、パウダー状になったご遺骨は真っ白ではなく、グレーまたはベージュがかった色になるのが自然な状態です(弊社では炭化している部分を除去するようなことはしておりません。それもご遺骨の一部ですので廃棄すべきものではなくそのまま粉骨するべきだと考えています)。

最も時間がかかるのは乾燥

粉骨を代行させていただいている中で、最も時間がかかる作業工程は乾燥です。

少しでも早くお客様にご遺骨をお戻ししたいと考えていますが、特に埋葬されていたご遺骨の場合は、乾燥工程に3日程度かかってしまいます。そのため、お戻しに多少時間をいただく場合もありますが、それでもお約束の「ご遺骨お預かりから10日以内の発送」には十分間に合います。実際には10日かかった例はなく、実績としては数日以内にご遺骨を返送させていただいています。