粉骨のメリット
ご遺骨を火葬後の焼骨の状態から粉骨してパウダー状にすることのメリットについてご紹介します。
≪目次≫
散骨をするのであれば粉骨は必須
散骨をお考えの場合、粉骨は「メリットのあること」というより「必ずしなければならないこと」となります。
現在、散骨に関する国内の法律はありません(一部自治体で条例はあります)が、一般に散骨は「葬送のための祭祀として節度をもって」行わなければならないものとされています。この「節度をもって」の内容の一部として、遺骨を細かく粉砕してから散骨しなければならないと一般に考えられています。
一見して遺骨とわかるものを一般の人が目にすると動揺する人がほとんどでしょう。難しい言い方をすると「宗教感情や死者への敬虔感情を害する恐れ」があるのです。そこで、もし一般の人が目にしても一見して遺骨だとわからない程度に細かくしなければならないと考えらえています。
どれくらい細かくするのかについては一般に「遺骨の1片が2ミリメートル以下になるまで粉砕すること」とされています。したがって、散骨をするのであれば粉骨は必ずしなければならないのです。
散骨に関する法律や条例、マナーやルールについては下記の記事に詳しく書いています。
参照:散骨の法律や条例の知識 ~散骨時の注意点やマナーを知るために~
また、粉骨を細かく行うほど、ご遺骨が自然に還るのが早くなります。自然に還るのが故人の遺志であれば、自然に還りやすい形で散骨してあげるのが良いでしょう。
容量が小さくなる(かさが減る)
焼骨は形がふぞろいですので、骨壺などに入れても中にびっしりと入るのではなく間に空間が生じます。そのため思いの外大きな骨壺などの容器が必要となるものです。これに対して粉骨をすると隙間はなくなりますので容量はかなり小さくなります。
粉骨することによって容量は一般に4分の1から5分の1程度まで小さくなります。したがって、ご自宅供養する場合でも存在感のある大きな骨壺ではなく比較的小さな骨壺にも収まるというメリットがあります。
またお墓への納骨についても、骨壺に入れた状態だとスペースに収まり切らない場合もあります。そのような場合も粉骨して容量を減らすのは有効な方法です。
見た目が良くなる
決して焼骨の見た目が悪いと言いたいわけではありませんが、あまり焼骨を見たことのない場合、目にすると多少ショックを受ける方もいらっしゃいます。
逆に骨壺を頻繁に開けて焼骨に触れるような方もいらっしゃいますので感じ方はひとそれぞれではあります。ただ、焼骨を粉骨してパウダー状にすると、いわゆる「生々しさ」はなくなりますので、ほとんどの方がショックを受けるようなことはないでしょう。
粉骨後パウダー状になったご遺骨を手元供養する場合、どのように保管するかはひとそれぞれの考え方ですが、中には透明なガラス瓶の中にご遺骨を入れてそばに置いておかれるかたもいらっしゃいます。
※ 尚、焼骨を粉骨してパウダー状にした場合、必ず真っ白になるというわけではありません。火葬の際に炭化した部分などもありますのである程度グレーがかっていたりベージュのような色合いになることもあります。洗浄したり、炭化した部分を除けば真っ白に近くなりますが、その場合はご遺骨の一部を廃棄することになってしまいます。弊社ではご遺骨をできる限り逸失することなくお手元にお返しすることを大切に考えておりますので、白いパウダーにすることを目的に洗浄や一部ご遺骨の除去などは行っておりません。目視による異物の除去、カビの燃焼滅菌、六価クロムの無害化処理などを必須作業として行い、粉骨後のご遺骨の色は自然なままお返しすることとしております。
ご遺骨の形状について、何が良いとか、どのように保管するのが良いとか、一概に申し上げることはできません。故人の生前のお考えやご遺族のお考えによって異なるものです。ただ、粉骨後のご遺骨を見て「心が少し落ち着いた」とおっしゃる方がいらっしゃるのも確かです。
粉骨は自分でもできる?
粉骨は頑張ればご自身でもできます(参照:粉骨の方法(散骨準備・焼骨のかさを減らして自宅供養する) )。ただし、完全なパウダー状にするには専用の機械が必要でしょう。また、お墓に納骨されていた場合には十分な乾燥も必要です。ご自身で粉骨する自信がない場合は専門業者に依頼した方が良いでしょう。
注:アイキャッチ画像のパウダーは本物のご遺骨ではありません。故人の尊厳に配慮して弊社では本物のご遺骨の写真は公開しないこととしております。
誰もが安価に選択できる葬送の方法を模索中です。また法律・条例や社会的ルールが向かうべき方向についても日々勉強しています。